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公立中 夜は塾が出張 

本日12/9 朝日新聞朝刊の一面トップは「夜の公立中 塾が受験講座」という個人的には衝撃的な見出しでした。

残念ながら朝日新聞は記事を自社HPへ掲載するのが遅いので、更新が早い毎日新聞の記事からリンクします。

塾講師:公立中に招き夜間授業 東京・杉並
リクルート出身の藤原和博氏が校長を務める東京都杉並区立和田中学校で、来年1月から、大手進学塾「サピックス」(中央区)の講師を招き、2年生を対象に夜間、学力向上に向けた授業をすることが分かった。保護者から授業料を集め希望する生徒を対象にするという。公立中の中で進学塾が定期的な授業をするのは極めて異例で、公立学校と塾のあり方をめぐり、波紋を広げそうだ。

 関係者によると、授業は「夜スペシャル」と名付け、保護者らで構成し、同中を地域ぐるみで支援する「和田中地域本部」が主催する形を取る。

 授業は国語と数学、英語の3教科で、月、水、金、土の週4日。平日は午後6時半〜同9時半。生徒は休憩を取りながら1日3コマを受講する。土曜日は午前9時〜正午で、英語のみという。平日コースと平日・土曜日コースの2コースを設け、入塾試験も実施する。生徒のレベルを見ながら授業を展開する。

 和田中では、これまでの暗記を重視した授業を疑問視し、物事に対する「論理的思考力」を鍛える方法を模索してきた。今回の試みもその一環で、サピックスの講師と同中の教諭とが連携し、思考力を鍛える教材を共同開発し、その教材を使いながら、サピックスの講師が授業をする。授業料はサピックスの料金の半額に設定し、保護者側が支払って生徒が受講するシステムになるという。

 1月から試行的に始め、4月から本格実施したいとしている。

 藤原校長は、03年4月に東京都の公立学校では初の民間出身校長として就任。授業の知識を世の中でどう生かすかを学ぶ「よのなか」科を導入するなど、先進的な取り組みで知られる。

 来年3月の退任が決まっており、後任は、教育関連会社「トップアスリート」社長の代田昭久さんが務めることになっている。【三木幸治】

 ▽教育評論家、尾木直樹さんの話 学校の塾化が進むだけで総合的な学力向上にはつながらず、やめた方がいい。塾は教え込むやり方で知識をつけるにはいいが、安全で安心な居場所を確保し、子どもが自ら学ぶように促す学校の役割とは異なる。子どもが先生を見る目も変わり、塾の講師を学校の先生より上に見てしまうだろう。

 ▽兵庫教育大学長で中央教育審議会副会長、梶田叡一さんの話 学校にいながら安い値段で塾の授業が受けられるのは、生徒の望む学習機会を提供するという観点から評価できる。日本人の多くは抵抗があるかもしれない。だがこれまでどちらかと言えば、陰の存在だった塾を白日の下にさらすことになる。その結果、学校と塾の指導方針が違って子どもが迷うといった弊害が少なくなり、きっちりとした学力形成につながる。


毎日jp 2007/12/09

民間の塾の助力を得ているのは東京都(一部)だけではないのですね。

朝日新聞の記事では他に福島県川内村、青森県東通村、栃木県那須烏山市、長野県御代田町、沖縄県北大東村など・・・既に広がりつつあるようです。

毎日、朝日新聞で取り上げあられた東京都杉並区立和田中のケースは月謝が2教科で1万8千円、3教科2万4千円です。

正規の授業料の半額程度とはいえ、これを払えない家庭も少なくないでしょう。
払える希望者だけが参加可能という事で良いのでしょうか。


実はここ数日地元紙では”「格差」の中の県立高校”という特集記事を掲載していました。

これを読むと公立高校の授業料さえ支払い困難な家庭が思いの外多いことが分かります。

子供自身が自らの希望に向けて努力することが前提ではありますが、スタートラインにおいて決定的な落差がついてしまっているのが現実です。

PISAの到達度テストでの結果に衝撃を受け底上げが必要だと言う一方で、公立校で経済力によって受けられるサービスが違うというのは、ますます子供たちを2極化させ、社会の不安定要因を増やすことになるんじゃないかと私は感じました。


12/8日現在3回連続で掲載されていますがネットで拾えた分だけ引用リンクしておきます。
http://www.fujidana.com/jyoho/news/071206.html


崩れゆく機会均等 「格差」の中の県立高校 1
神奈川新聞2007年12月06日
進学 突き当たる壁
不安  「ゆとりない」意欲にも影

 家庭の経済格差が、学力格差につながるのだろうか−。神奈川のある県立高校で十一月下旬、三年生の選択科目の授業で格差問題が討論テーマに取り上げられた。生徒九人と教員が机をロの字型に並べて向き合い、小ぢんまりとした授業が始まった。

 討論のたたき台は、県立高校全日制で生活保護世帯などを対象とする授業料免除を受ける生徒の割合が、学力不振の課題集中校ほど高く、進学校ほど低い調査結果を報じた本紙記事(十一月十七日付)。生徒たちは目を凝らして読み込んだ。
 生徒たちにとっては人ごとではなかった。同校は将業料免除を受ける生徒が二こ〇〇五年度に五人に一人に上り、この割合が県内トップクラスだったからだ。学力に影響を与えるとも指摘される家庭環境では、三年生の少なくとも約25%がひとり親家庭という。 「家庭がお金の面でゆとりがないと、子供も勉強しようと思わないのは当然」。最初に発言した男子は、家計の窮乏と学力不振とは相関性が強い、と実感を込めた。
 母子世帯で生活保護を受ける家庭の男子が切り返した。「お金よりも家庭環境の影響が大きい。家庭が不安定だと子供のやる気が損なわれる」
 「どんな環境でも生徒自身のやる気が大事ではないか」。複数の生徒が、自分に言い聞かせるように、そう発言した。
 しかし−。受験難易度が低いとされる同校の中でも「優秀」と教員が太鼓判す九人は、高校進学時に「格差」の現実に突き当たった。
 高校入試で公立に落ちた際の滑り止めとして私学を併願できた生徒は限られ、受験はしたが合格しても経済的に進学できなかった生徒もいた。
 ある女子は、親に「私立にやる余裕はない」と言われ公立一本で受験。別の女子は「私立を併願できないから、公立の中でも確実に受かるところしか受験できなかった」と打ち明けた。
 ある男子は親がリストラされ再就職するまでの時期と入試期が重なり、私立は受験できなかった。「公立全日制に落ちたら一年間アルバイトして学費を稼いで、もう一度受験したと思う」
 九人のほとんどは専門学校や大学への進学が決まっているが、先行きに不安がある。大学に進学する女子は「父の仕事の状況によっては、通い続けられるか分からない」と不安をのぞかせた。
 ある男子は、ぼそっと言った。「格差は何年たっても変わらない。(世代を超えて)繰り返されると思う」

 「格差」が県立高校の生徒を直撃している。家庭の経済力によって学力に差がつくことが県教委のデータで裏付けられ、教育の機会均等が崩れている実態が浮かび上がってきた。課題集中校や定時制高、中学校の各現場の現状を報告し、教育行政の在り方を問う。




追記:他紙関連記事

区立中で塾が夜授業 民間人校長の杉並・和田中 料金取り受験対策
 東京新聞  2007年12月11日 朝刊
 民間出身の藤原和博氏(52)が校長を務める東京都杉並区立和田中学校が大手進学塾と組んで来年一月から、二年生の希望者を対象に「夜スペシャル」と銘打った夜間授業を導入することが分かった。三カ月の試行を経て二〇〇八年度から本格実施する方針。

 藤原校長は「やる気のある生徒の力をより伸ばすため」と話しているが、区教育委員会からは生徒側の費用負担や参加方法をめぐり異論も出ている。

 夜スペシャルは、学校を支援する地域住民らの「和田中地域本部」が主催する。進学塾「サピックス」(東京都中央区)と連携し、塾講師が国語、数学、英語の三教科を教える。授業は月、水、金曜日の午後六時半−九時半ごろと土曜日の午前九時−正午ごろまで。受講料は平日コースで月額一万八千円、平日に土曜を加えたコースで同二万四千円で、サピックスでの受講料の半額程度に設定する。

 補習や授業のサポートなどで塾講師が公立小中学校で教えるケースは港区や江東区であるが、生徒側から受講料を集め、受験対策を踏まえた授業を展開するのは珍しい。同校では教員と塾が教材やカリキュラムを共同開発し、「論理的思考」を養うことを重視するという。定員は最大三十人程度を想定し、学力を測るための「入試」も行う。

 藤原校長は、リクルート出身の都内初の民間人中学校長。授業を世の中と関連づける「よのなか」科など独特の取り組みで知られる。藤原校長は「公立学校では意欲や力がある『ふきこぼれ』の生徒に対応することに課題がある。『夜スペシャル』は単なる受験対策ではなく、論理的思考や応用力を伸ばしたい。詳細はPTAなどと詰めていきたい」としている。

 一方、杉並区教委教育改革推進課の中村一郎課長は「個人的な見解だが、地域本部が行う事業は、希望者全員が参加できることが基本。受講料の金額の設定や、入試のようなテストには疑問もある」と話し、区教委内で是非について協議しているという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007121102071182.html


杉並・和田中で塾講師が授業。希望者に夜間、英数国(東京)

(2007年12月11日 読売新聞)
 リクルート社出身の藤原和博氏が校長を務める杉並区立和田中学校(生徒373人)で、来年1月から大手進学塾「サピックス」(中央区)の講師を招いた夜間授業が始まる。学力上位の生徒をさらに伸ばすのが狙い。2年生の希望生徒が対象。月謝は民間の平均的な塾に比べると、かなり安いという。

 授業は「夜スペシャル(夜スペ)」と命名。保護者や元PTA、教員志望の学生らが参加する「地域本部」が主催する形をとる。

 藤原校長は「公立学校の役目は、学力下位層を作らないことだけではない。もっと勉強したい上位層をさらに伸ばしたい」と強調。都立の進学重点校や私立中上位校を狙う生徒が対象になる。募集定員は15〜30人。同校の2年生は124人で、2割前後の参加を見込んでいる。希望する生徒には16日、入室テストを行う。

 夜の授業は、国語、数学、英語の3教科。平日は週3日開催。国語、数学の授業を午後7時から45分ずつ、3コマ行う。英語は土曜午前に集中。やはり45分の授業を3コマ。サピックス講師による進学相談もある。月謝は2教科1万8000円、3教科2万4000円。サピックスの正規の授業料の半額程度に設定されている。

 カリキュラムや教材は、同校とサピックスが共同で考案する予定。単なる受験対策にならぬよう、考える力や知識の応用力を伸ばす授業を目指すという。

 サピックス東京本部は「採算は取れない」としながらも、「公立学校との連携は今後の事業展開につながる可能性がある」として協力を決めたという。

 藤原校長は2003年4月、都内の公立小中学校で初の民間出身校長として着任。来年3月の退任が決まっているが、こうした事業は、同じリクルート社出身で後任の校長に決まった代田昭久氏に引き継がれる。


夜の公立中で塾が受験講座 東京・杉並、年明けから2007年12月09日 朝日新聞
 夜の学校の教室で、大手進学塾の指導が受けられます――。東京の杉並区立和田中学校で来年1月から1年間、2年生の希望者を対象に「夜スペ」と題した試みが始まることになり、その説明会が8日開かれた。月謝を通常の半額程度に抑えて家庭の負担を減らしつつ、塾が持つノウハウで、志望校への進学後にも生きる学力を伸ばすのが狙いだ。

 主催するのは、保護者や元PTA、教員志望の学生らが参加する「地域本部」。土曜日の補習や図書室の運営などを担って和田中をボランティアで支えてきた。

 カリキュラムと教材作りには、リクルート出身の民間人校長として知られる藤原和博校長ら和田中の先生が参加。読解力や知識の応用力も伸ばす授業を目指す。ただし、学校の補習はしない。

 「夜スペ」を担当するのは、SAPIXの中学部。テストに合格しなければ入塾できないことで知られる大手進学塾だ。平日週3日、午後7時から、45分の授業が数学2コマ、国語1コマある。土曜朝の3コマの英語と組み合わせた3教科コースもある。面談で進学相談にも乗る。

 月謝は2教科が1万8000円、3教科だと2万4000円。正規の授業料の半額程度になる。

 8日の説明会で藤原校長は「学校の授業についていけない生徒にはむしろ負担になる。無理に参加しないで」と注意を促した。16日には入室テストがある。

 夜の迎えや地域本部の当番など、保護者も手伝いを求められるという。

 SAPIX東京本部は、「採算を取ろうとは思っていない。学校との連携から新しい事業展開にもつながる」と期待する。
http://www.asahi.com/edu/student/news/TKY200712080219.html




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中学校 「ひさし」をかして 夜間塾

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  • [2007/12/09 15:00]
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